経済

【経済】米国の株価に関係する経済指標とは?

こんにちは!

米国の株価と関係がある経済指標を知りたい・・

どの経済指標が重要なんだろう?

米国の代表的な経済指標を知りたいけど、難しそう・・

今日はこんなお悩みについて、解説したいと思います。

なお、筆者は理系出身ですので、これまであまり経済に触れる機会は少なかったのですが、一社会人として投資をする場合、最低限の経済知識は身につけたいと考えています。これから経済を学びたいといった方にもポイントを絞ってわかりやすく記載することを心掛けていますので、本ブログを通じて皆様と一緒に学べたら幸いです。

世界の中心である米国経済を一緒に学ぼう!

米国の経済指標について

今回の検証内容

以前の記事で、株価とGDPの間に強い関係があると書きました。

前回記事はこちら→【経済】米国GDPと株価の関係 – 富さんの資産運用ブログ (freejinsei.com)

今回は、ほかの米国の経済指標も株価と連動するか調べてみようと思い、各経済指標のデータを抽出して、検証してみました。

米国の重要な指標は色々ありますが、中でも最重要と考える「雇用」「金利」「物価」の指標をいくつかピックアップしてみました。

仮説

米国の株価と、雇用統計、金利、物価は相関するか?

 

雇用統計

雇用統計は、米国の毎月第1金曜日に発表される経済指標です。

雇用統計は、雇用に関する指標10数項目からなりますが、中でも注目されるのは、非農業部門雇用者数失業率です。

非農業部門雇用者数とは、農業(1次産業)以外の事業を行う企業に就業している人が、前月比で何人増減したかを表すよ!
失業率は、米国内の失業者数を労働人口で割って算出された値だよ!

米国のGDP内訳のうち、7割がサービス業(3次産業)ですので、この非農業部門雇用者数は米国の言わば「体温」を示しています。

それぞれ、米国の代表株価指数の一つである、NYダウ(ダウ・ジョーンズ工業株平均株価)と各指標の関係を見てみましょう。

途中、ITバブル崩壊(2000)、リーマンショック(2008)、コロナショック(2020)といったショックもありますが、雇用者数と株価は関係が強いです。

非農業部門雇用者数との相関係数は1980~2022年の間で0.8 = 強い相関があります(>0.7)。

一方で、失業率との相関係数は1980~2022年の間で0.2 = 相関なしです(<0.7)。

失業率は、5%以下で景気の山(雇用充実)となり、リセッション(景気後退)に入り上昇のサイクルを繰り返しています。ところが、今月発表された失業率は3.4%で、ここ50年で最も低い値となっています。ここから言えることは、①かなり雇用が強く人材不足が続いていること、②近い未来にリセッション入りする可能性があることを示唆しています。

特に、②のリセッションの動向については、不安定な社会情勢が続いていることもあり、気にする人はかなり多いのではないでしょうか。また、過去最大級の逆イールドカーブ(10年債利回りと2年債利回りの逆転現象)も発生しており、これが現れると過去0.5~1.5年以内にリセッション入りすると言われています。

今後も米国の人口増加に伴い、労働人口は増えていくと思いますが、その強弱をいち早く知るためにも毎月雇用統計には注目してみましょう!

金利

世の中は「金利」で回っているといっても過言ではないです。各国の株価、為替、商取引すべてに影響するためです。

代表的なのは、2年国債利回り(短期国債利回り)と10年国債利回り(長期国債利回り)です。米国の中央銀行にあたるFRB(Federal Reserve Board)が、数か月に1度政策金利を決定することで2年債利回りをコントロールしています。10年債利回りは高い確率で2年債利回りに連動しますが、より市場の動向・評価が反映されます。

金利と株価は一般的に「逆相関の関係」にあると言われています。以下の円グラフはお馴染みの相場の循環図です。好景気になり金利が上がると、企業が活動を控えたり業績が悪くなり、不景気となる流れです。

データを見ても10年債利回りと、株価は少し弱いですが逆相関の関係が示されました。ただ、最近は歴史に比べて株価が高い傾向となっています(割高)。これはコロナ影響によるQE(量的緩和)により国債額が増加&株式へ資本流入の影響が大きいと考えられます。

昨年ニュースや市場で注目されていたのは、米国のインフレ進行とFRBの利上げ速度です。FRBは従来0.25%幅で利上げをするのが普通でしたが、急激なインフレ進行により、経済への痛みをも辞さない覚悟で、0.75%幅×年4回の急速利上げをしてきました。

要は、FRBはインフレ退治のために景気を冷やしたいということです。ですが、今月の失業率や雇用者数は市場予想をはるかに上回り、景気は冷めていくのでしょうか。。

今後も世界が金利に注目しています。

物価

CPIは”Consumer Price Index”の略で、消費者物価指数と呼ばれます。有名なのは前年比何%この指数が上がったか?を示す前年同月比のCPI%(全アイテム、YoY)コアCPI%(食料・サービス除く、YoY)で、これらは毎月15日ごろに発表されます。

CPI%(全アイテム)に影響するもの・・・食品+エネルギー(20%)、財(家具や車  など, 20%)、サービス(住居や各サービスなど, 60%)

コアCPI%に影響するもの・・・上記から食品+エネルギーを除いたもの

直近米国は増加のピークは過ぎたものの、前年同月比6%増となっており、ものすごいインフレです。アメリカではスナック小袋1袋と500mlの水1本を買うと800~900ドル(1000円)する時代です。アメリカはその分給与も上がっているからいいのですが、日本から見たら異常ですよね。

データを見てみると、ダウ平均の上昇に伴い、消費者物価指数も上昇しています。

消費者物価指数との相関係数は1980~2022年の間で0.8 = 強い相関があります(>0.7)。(※CPI増加率は全アイテム・コアともに相関はありませんでした)

つまり、経済成長(GDP成長)&株価上昇に伴い、物の値段も上がってきた(インフレが進んできた)ことが窺えます。教科書通りです。

ただし、近年の急速なインフレの背景には、先ほど述べたQE(量的緩和)政策や、物やサービスの需要増による人不足が深刻化しており、賃金上昇を招いています。昨年もNYで働くアルバイトの時給が5000円だとか、アメリカの空港では人不足による飛行機の離発着遅れが目立つなどありました。

今年はFRBは利下げに踏み切らないと言っていますし、インフレを抑えるために高い金利がいつまで続くかに市場の焦点が当たっています。

検証結果のまとめ

今回検証した指標について、下表に関係をまとめました。雇用者が増え、物価上昇を伴いながら株価が成長し、GDPを押し上げてきたことが読み取れます。

NYダウ株価指数との関係相関係数
GDP正の相関0.9
非農業部門雇用者数正の相関0.8
10年債金利弱い負の相関0.7
失業率相関なし0.2
CPI正の相関0.8
CPI% YoY相関なし0.1
コアCPI% YoY相関なし0.2

1980~2022年までの各1月データ引用(ECONOMIC RESEARCH FEDERAL RESEARVE BAK of ST.LOUIS)

Consumer Price Index for All Urban Consumers: All Items in U.S. City Average | FRED | St. Louis Fed (stlouisfed.org)

検証結果

・米国の株価と、雇用統計、金利、CPIは相関する

・CPI(増加率)は相関しない

・現在の失業率は歴史的に低い水準。重要な暴落指標。

米国株投資について

米国株への投資はどうなの?

以上を踏まえたうえで、投資について述べたいと思います。

結論からお伝えすると、米国株は有望な投資先です。

理由は以下の3点です。

・世界最大の市場で、あらゆる面で国力が強い

・世界中から金融資本が集まる

・今後のGDPや雇用の伸びに伴い、株価の上昇も見込まれる

初心者の方には、多くのSNSやメディアからS&P500やNYダウに連動するインデックスの投資信託 or ETFの長期投資がおすすめされており、筆者も長期保有しています。

これらは証券会社がおすすめする大体の投資信託や株よりも手数料や信託報酬が安いです。ネット証券から購入しましょう。

<投資信託一例>

三菱UFJ国際-eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)

SBI-SBI・V・S&P500インデックス・ファンド

米国株投資を始めるには?

まずは、ネット証券の口座を開設しましょう。米国株が買えたり、クレジットカードでポイントが貯まる積み立て投資が可能な証券会社がよいです。このあたりは節約術にもつながってきますのでまた別途ご紹介します。

おすすめは、楽天証券、SBI証券、マネックス証券です。

 

まとめ

・米国の株価と、雇用統計、金利、CPIは関係が強い。

・米国インデックスへの長期投資がおすすめ。

・これからのインフレ時代に備えて資産を持とう。